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「みなみが行く」~第5回~ in日本住環境株式会社様 「NJK研修・開発研究所」

インタビュー

連載「みなみが行く!」~第5回~

モックブログ連載企画!「みなみが行く!」!
3年目社員の高橋が、建築・工務店業界の先輩に突撃し、業界のことや家づくりのことについて教えていただくコーナーです。

ここまでやるから安心・安全・快適。

「NJK研修・開発研究所」で高断熱・高気密住宅の裏側を体験!

第5回目は、千葉県松戸市にある日本住環境株式会社様の「NJK研修・開発研究所」にお邪魔しました。
日本住環境株式会社様は建材メーカーで、高性能な戸建住宅をつくるために必要な資材を全国のハウスメーカーや工務店に卸売りをしています。

今回伺った開発研究所は、高断熱・高気密住宅に関する取り組みについて様々なことが学べる施設です。
私、高橋がその内部をレポートします!

過酷な防水試験を体験!強い雨と風にさらされる暴風雨を再現。

開発研究所には、暴風雨を再現できる散水送風機があります。最大で風速40mまでの風を出すことができます。
テレビなどで暴風雨の実験をしている様子を見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、まさにその装置がここにあります。

まずは風速10mから…

風速10mの段階では、「台風みたいに風が強いけど、まだまだ余裕!」と思っていたのですが…
風速20mとなると、凄い!真っすぐ前を向いていられません。

さらに風速30m、40mまで強めていきます。
真っすぐ立っていられず、じりじりと後退してしまいます。終わったあとはなぜか涙が止まらなくなり、どっと体に疲労感が…
放心状態といった表情になってしまいました(;^_^

気象庁によると、風速20mというのは、人が風に向かって歩けず、屋根瓦や屋根葺材が剥がれ始めるほどの強さ。
さらに風速30mだと、人は何かにつかまらないと立っていられないレベルの風で、細い木が折れたり倒れたり、また看板などが落下・飛散したりするほどの強さだそうです。

雨が加わると勢いが桁違いに上がるそうですが、今回は傘を持っての再現。

傘を準備して…

先ほどは余裕だと思っていた風速10mでも耐えるのがやっと。
本当は風速30mまでを予定していたものの、「これ以上は危ない」とスタッフの方が30mに達する前に装置を止めてくださいました。

 

風速10m

構えていれば十分に耐えられる強さでした。
それでも傘なしよりは、強かったです。

風速20m

傘を強く持ち直して前かがみにならないと、風にあおられてよろけてしまうくらいでした。

風速30m手前

傘が原型をとどめられず、ぐちゃぐちゃに。
少しでも力を抜いたら転ぶという危機感を感じましたが、前重心になることすらやっとのことでした。

〇風速20mの雨風に10分間耐えられたものだけが製品化

もちろん、この暴風雨装置は、びっくり体験のために用意されているものではありません。
普段はこの装置を使い、資材の防水試験をしていらっしゃいます。

私の傘が壊れてしまった風速20mの風と雨を10分間当て続け、吹き上がりで雨水の侵入がないかを確かめるテストです。
この試験に合格したものだけが、製品化されるということです。

実際に自分で体験してみて、どれだけ過酷な条件でテストをされているのかが身をもって分かりました。

モックアップで施工体験!気密シートを貼ってみた。

開発研究所の中には、実際の家を再現したモックアップが用意されています。
ここでは部材の納まりを確認したり、施工体験ができたりと、断熱・気密性能の高い住宅をつくるための知識を具体的に学ぶことができます。

例えば、区画ごとに屋根断熱、天井断熱、桁上断熱と分かれているためそれぞれの仕様を確認できたり、気密部材の施工の様子が展示されていたりと気密・断熱の情報がギュッと凝縮されたモックアップでした。

ここでは工務店の方向けの研修も行われているそうで、この場所を使って、面材での気密の取り方や断熱等級5・6と断熱等級7での納まりの違いなどを詳しく解説されているそうです。

私も知識としては知ってはいたことも、実際に施工の様子を並べて比較するとその違いがよく分かりました。

柱にも兼用できる気密補助部材を使った気密の取り方。
角があり、手で簡単に千切れるので使いやすい!

 

床下断熱の様子。
断熱と気密は隣り合わせで施工するのが理想的なのだそう。

〇気密シートの施工体験

このモックアップでは気密シートの施工体験ができます。

施工前の気密シートを触るのは私も初めて。ここで使用するのは0.2ミリの厚みだそうですが、実際に触ると硬くとてもしっかりしているという印象を受けました。

強度テスト用のサンプルを渡され、「今まで一番、怒った時のことを思い出しながら引っ張ってみて」と言われて本気で引っ張ってみると…

思いっきり引っ張ったのですが、伸びるだけで千切れず。
続いて、半分の厚みの0.1ミリのサンプルで、同じようにやろうとすると、そんなに力を入れていないのに、すぐにブチッと切れてしまいました。

0.1ミリのシートの方が安価ではあるものの、強度に差が出てしまうため0.2ミリを標準として推奨されているそうです。
こうした違いも自分で体験させていただいたことで、よく分かりました。

いよいよ、気密シート貼りの体験です!日本住環境オリジナルの軍手を着けて、準備完了!

 

足元からタッカーを打ち込んで貼りつけていきます。
お手本を見たときには「簡単そうだな」と思ったのですが、タッカーの扱いになれておらず最初は苦戦しました…。
それでも少しずつ慣れてきて、5分ほどで一面を貼りつけることができました。

最後に、梁に被っていた部分のシートを処理します。Y字に切り込みを入れ、ぴったりと梁の角に合う様にシートを処理していきます。

完成!女性でも簡単に施工することができました。

こだわりの資材がズラリ!なぜ、気密部材や換気部材の仕組みを学ぶ

さらにモックアップを囲むように、日本住環境株式会社様の資材が多数展示してあります。通気部材や気密部材、24時間換気のための換気部材など「商品が増えてきて、入りきらなくなってきた」と担当者の方が苦笑するほど、充実のラインナップです。

また、ただサンプルが置いてあるだけでなく、それぞれ特徴や性能が分かりやすいようにポップや模型が多数用意されており、とても興味深く見て回ることができました。

 

 

〇気密の違いが与える影響を可視化

例えばこちらの模型。右側はしっかりと気密が取れており、左側は気密が取れていません。

これだけでは違いが全く分かりませんが、熱画像カメラで比較をすると右側のほうが全体的に赤く、暖かさが保てていることが分かります。
実際に空気を流してみると、配管周りを中心に空気が漏れていることも一目瞭然で分かるそうです。

〇貫通部の気密の取り方

また、こちらの模型は貫通部の気密の取り方を説明する模型です。壁には専用シートを貼ることで気密のレベルを上げることができるのですが、それだけではサッシ周りや配管などの貫通部の周辺の施工が不十分になってしまいます。

そこで、専用の部材や気密テープを活用して、丁寧に気密をとっていきます。
シートとシートの継ぎ目や重なる部分、シートと気密部材は必ずテープで連結させ隙間をなくすことが重要なのだそうです。

ところが、ここまでやっても水蒸気はどうしても入ってしまうのだそうです。
そこで入った水蒸気を外に逃がすという「内気密・外解放」の考え方で、室内側には「防湿気密シート」を、外側には「透湿防水シート」を設置しています。

見学を終えて

日本住環境株式会社様の「NJK研修・開発研究所」には、ここでは紹介しきれないほど沢山のコンテンツがありました。
また、セミナールームでは、ニーズが急増している高気密住宅に関するミニセミナーにも参加させていただきました。
座学で得る知識と、実際に目で見て、身体で感じるものが掛け合わされ、とても勉強になりました。
また、「高性能な断熱材xしっかりとした施工・気密処理」によって快適な空間づくりの一つを担うことができることを改めて今回の研修施設で体感しました。
ぜひ、住宅に関わる人には、一度は体験していただきたいと思います。

日本住環境株式会社様とモックは、良い家をつくりたいという工務店・ハウスメーカーの皆さまに最高の建材や資材を提供したいという同じ志をもった会社同士だと思います。今回、日本住環境株式会社様のこだわりが強く感じられて、私もすごく嬉しい気持ちになりました。

これまでの工務店様インタビューとは異なり、初めてのメーカー様の研修施設インタビューに挑戦しました!
「気密・断熱・防水」に関して、皆様がお困りの部分など、アンケートをご用意いたしましたのでお聞かせいただければと思います。
「みなみが行く!」へのご感想やこんなインタビューが見てみたい!などもお聞かせいただきたいので、ぜひご回答お願いします(*^^)

(書き手:高橋 みなみ)

アンケートご回答はこちらから↓

https://forms.gle/rYA6EMyRk7DJCwAx9

 

日本住環境株式会社 「NJK研修・開発研究所」

日本住環境株式会社は戸建住宅用の建築資材(材料)を販売する専門メーカー。
「夏涼しく、冬暖かく暮らせる家」を日本中に広めるため、見えないところで家づくりを支えています。
「NJK研修・開発研究所」は温熱環境に関する取り組みを支援させていただくための研修施設。

 

所在地:〒271-0054

千葉県松戸市中根長津町215

ホームページ:https://www.njkk.co.jp/

紹介動画:https://youtu.be/ySP2CWNTA8U