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木の話~第5録~
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5録目は【下刈作業】!!
第5録・下刈作業
苗床で育てた苗木は山に植え育てていきますが、放っておいて自然に大きくなった訳ではありません。
もともと日本の山の植生はブナやカシなどの広葉樹が主として分布しており、植林をしても人が手伝ってやらなければ杉、桧などの針葉樹はそれらに負けてしまい広葉樹の森に戻っていきます。

特に植えられたばかりの苗木は根付くのに精一杯であまり成長しないので、成長の早い周囲の雑木雑草を刈ってやらなければなりません。この作業が「下刈作業」です。この作業は紀州の場合、杉、桧が雑木雑草に負けないようになるまで桧で約10年間、杉で約7年間、毎年1回以上続けなければなりません。
そしてその時期は雑木雑草が繁茂する6月から9月の猛暑の中で行う必要があり、さらに急斜面での作業となるので大変過酷で危険を伴う重労働となります。


自分も山長研修の際に体験させていただきました。研修ですのでなるべく平坦な部分を体験させていただきましたが、真夏の暑い時期に長袖・長ズボンはかなり過酷で今でも覚えています。雑木雑草の方が伸びており、見分けながら草刈り機で刈るのも困難でした。職人さんはピン付きの足袋を履き、立っているのも困難な場所を刈っていきます。植えている間隔を覚えているようでスピードが違い1ヘクタール刈るのに4~5日で刈ります。
育林で一番過酷と言われている下刈作業ですが、高品質で綺麗な山林を作る重要な作業となります。
第5録【了】