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家族や友達に自慢できる家を作りたい~埼玉県ふじみ野市「奥山建設」の家づくり

インタビュー

連載「みなみが行く!」~第2回~

モックブログの新企画!「みなみが行く!」!
2年目社員の高橋が、建築・工務店業界の先輩に突撃し、業界のことや家づくりのことについて教えていただくコーナーです。

第2回目は埼玉県ふじみ野市にある奥山建設様のモデルハウスにお邪魔しました。性能だけでも、デザインだけでもない、奥山建設様の家づくりのこだわりについて三代目社長の小林大介様にお話を伺いました。

高気密・高断熱の家づくりに真っ先に取り組んできた歴史

—奥山建設様はかなり早い段階から、高気密住宅に取り組んでいらっしゃったそうですね。

はい、そうなんです。はじめて高気密・高断熱住宅に取り組んだのは今から28年前の平成6年で、僕自身もまだ入社する前でした。

北海道で生まれた『FP工法』というものがあります。FPとは「フレーム&パネル」の略で、日本の風土に長く育まれてきた木造軸組工法に、独自のウレタン断熱パネルを組み合わせる工法です。断熱性能に優れ、冬は暖かく、夏は涼しい、を実現することができます。

平成6年にこのFPグループに埼玉県で初めて加入し、翌年には全棟気密測定もはじめています。今でこそ高断熱・高気密住宅といったキーワードに注目が集まっていますが、当時の埼玉ではかなり先進的な取り組みだったのではないかと思います。競合もいませんが、逆に手本にできる会社もなく、とにかく手探りで社員総出でやっていたと聞いています。

—時代を先駆けて高性能住宅に取り組んでいらっしゃった奥山建設様ですが、そこから今の社長である小林社長へはどのように受け継がれていったのでしょうか。

僕が社長に就いたのは2012年なんですが、当時先代は60代でまだまだ現役だと思っていましたから突然「代替わりするよ」と言われた時はびっくりしました。

それまで僕はリフォームやメンテナンスを担当しており、新築住宅には携わっていなかったんです。それがいきなりお客様の前に出て家づくりの話をしないといけないとなったから、最初は戸惑いました。

ただ、自分なりに「奥山建設はどんな会社か」を考えたときに、真面目に家づくりをする、耐震や断熱にこだわってお客様に安心してもらえるところに力を入れている会社なんだという実感があり、その印象を大事にしました。

社長を継ぐ前から、自分自身の体験として「断熱にこだわるっていいな」と思っていたんです。僕は田舎生まれなので最初こそ、夏は窓を開けて風を通せばいいや、冬は狭い部屋でストーブをつけて家族みんなで過ごせばいいじゃない、と思っていました。ところが実際に奥山建設の断熱化された建物に住んでみたら、やっぱり快適なんですよ。

例えば冬に小さな子どもをお風呂に入れるとき。一般的な家だと脱衣所ってめちゃくちゃ寒いじゃないですか。お父さんやお母さんたちはその寒いのを我慢して子どもたちを着替えさせたり、自分も急いで着替えたり、とバタバタしてると思うんです。

うちは年子だったのでそれも二人いて、そんな中で脱衣所が暖かいとそれだけで救われました。お家が暖かいと、子育ても楽になります。

僕自身がそうした経験から「断熱化された家って良いな」と確信しはじめていた頃だったので、そこはしっかりと継承していこうと決めました。

社長の仕事は、変化を作ること。作りたかったのは皆に自慢できる「素敵なお家」

—代替わりをするときに、特に気をつけていたことや意識していたことはありますか?

「社長の仕事って何だろう?」ということを自分なりに考えてみたときに、「変化を作るのが社長の仕事だ」という答えにいきついたんです。

誰かが言い出したものの今できていないことってどんな会社にもありますよね。それを良い方向に動かしていくためには、やっぱり社長が考えて声をかけていかないといけないと思います。

ただ、ここで気をつけたのは、ゆっくりとしたスピードで変化させることです。

僕自身がもともと下の立場にいた身なのでよく分かるんですが、急な変化って社員達にはすごくストレスになるんですよ。正直言ってモチベーションも下がります。もっと楽しく働きたいという考えの下、変化というストレスと前向きに付き合ってもらうために、ゆっくりでもいいから、忘れずに変え続けていくという姿勢をとりました。

—実際に小林社長が起こした変化にはどのようなものがあるのでしょうか?

当時から、もっと素敵なお家をつくりたい、と考えていました。性能の数値が良くても、それは実際に暮らしてみないと分かりづらいものです。そうではなくて玄関をあけた瞬間に「わ~いいお家!」と感動できるようにデザイン面でもこだわるようになりました。分かりやすく言えば、友達や家族に自慢できる家ですね。

そうしたデザイン性も設計に反映するようにしていき、僕や妻(デザイン担当)の好みが投影された、“奥山建設らしさ”のようなものが生まれてきているようにも思います。

 

お客様のご要望と、性能やメンテナンス面との丁寧なすり合わせ

—もともとリフォーム出身というお話がありましたが、リフォーム新築では勝手が全く違ったのではないでしょうか?

もちろん違う部分もありますし、同じ部分、つながっている部分もあります。

家はいつまでも新品ではいられません。必ず手入れやメンテナンスが必要になります。長く快適に使っていただくためには、設計の段階から考えないといけないことも多く、リフォームのときの経験値が今の新築の設計に活きている場面はよくあります。

例えば、リフォームで耐震や断熱性能を上げたいという要望はよくありますが、新築のときにやっていないと、お金も時間もかかる上に性能はそこまで上がりません。新築のときにやっておけばやりやすいんです。

もちろん予算の制約があるので、お客様のご要望と照らし合わせながら優先順位を考えご提案しています。お客様の要望通りに設計図を書くこともできるのですが、できるだけメンテナンスが楽で、長持ちできるような形もご提案するようにしています。

そこはお客様の気持ちを汲みながら、丁寧にすり合わせていますね。

 

窓の外の風景まで、家づくりに取り入れるこだわり

—今日は奥山建設様のモデルハウスでインタビューをさせていただいております。このモデルハウスのこだわりはどのような部分にあるのでしょうか?

ここでやりたかったのは、小さな家を建てて、窓先の風景を整えることで広く開放的に見せ、居心地のよい空間を作るということです。

また、この10年間、庭造りにも力を入れてきたので、その集大成となるように庭も作り込んでいます。

 

―住宅地の中にあるはずなんですが、窓から見える景色でも開放的な印象がすごくありますね。

このモデルハウスを作るときには、どういう窓の取り方をしたらカーテンを開けたまま過ごせるかな、ということも考えました。

大きな窓があるけど、外からの視線はあまり気にならないと思います。

 

下着姿でうろうろできそうでしょ?(笑)

笑い話じゃなく、実はこれってすごく大切なポイントで、家っていうのはダラダラする場所だから、外を意識せずに暮らせるというのは大事なんです。

あとは植栽がもう少し茂ってくると完璧です。

内と外のつながり、というのでしょうか。家の中だけでなく、外までを意識した家づくりは最初からやっていらしたのですか?

以前に、すごく有名なある工務店さんの視察に行ったことがあるんです。そのときに、窓の外まで作り込んで暮らしの中に活かしていることを自分の目でみて、「すごいな」と感銘を受けました。

「こういう家を自分たちも作りたいな」という目標がそのときにできました。

僕は机の上だけで考えてできるタイプではないので、庭師さんと一緒に実際に自分で植物を選んだり、植えたりしています。やってみると「こういう木だと枯れるんだな」とか「育ち方が美しくないな」とか色々な反省もあり、そうした気づきと学びを繰り返しながら長く美しく楽しめる庭づくりを掘り下げているところです。

このモデルハウスもまだ半年目なので、10年後にはまたもっと良い感じになるはずです。

 

「素敵だね」と言われる家は、40年後も壊されず受け継がれる

—今よりも先のことを考えて家づくりをなさっているんですね。

僕はもともとリフォームをやっていたので、おじいさんから孫へ、あるいは親から子へ家を継承したいというご相談はよく受けていました。でも、ほぼ建て替えになるんです。結局、わざわざリフォームして住もうという人は少なくて・・・

これは自分自身に置き換えても言えることで、僕の生まれた家ももう築40年くらいなんですが、あの家も親が亡くなった後に住むかと言われたら、住まないんですよ。たしかに思い出はあるんですが、快適ではないし、デザイン的にもハッキリ言って好みではない。

そういう家をつくっていると、作り手としてはどんなに一生懸命であったとしても30年後か40年後かには壊されてしまうんだな、ということに気づいたんです。

だからこそ、親やおじいさんおばあさんが住んでた家であっても、「あの家なら自分も住みたいな」と次世代の子どもたちが思えるような家をつくることを、いつも目標にしています。皆が「素敵だね」と言ってくれるような家をつくっていたら家が壊されずに済むんじゃないかと考えています。

特に山長グループであるモックさんなんかは、木がどれだけ大切な資源なのかよく知っていると思います。おじいさんやさらに上の代の人々が植えた木を、今製材しているわけです。60年ものの木を使って建てた家を30年、40年で壊していたら間に合わないですよね。

だから時間が経つごとに、熟成されるというか、年季が入った上で魅力が増すような家づくりの方法を、いつも模索しています。無垢材を使うのにも、そういう理由があります。

 

「自分ごとで考える」―それが会社の個性になる

—奥山建設様は、気密・断熱性能も他の工務店さんと比較してかなり高い基準を設けていらっしゃいます。先ほど断熱の話も少し触れましたが、そうした数値的な部分まで大事にされている理由はなにかあるのでしょうか?

やっぱり、見た目の次は、住んで快適であることは大切ですよね。

家に帰ってきた瞬間、「熱い!」「寒い!」というのが第一印象だったら、そんな家に帰りたくないと思ってしまいませんか?逆に家が快適だと、帰りたくなるし、家の中でのんびりしていたいなという気持ちにつながると思うんです。

実はこれって家を長持ちさせるという視点にも通じる話なんです。みんな家が大事だったら、ちゃんと管理してくれるんですよ。誰だって好きなものには手をかけると思うんですが、家も同じです。

そのための一つの条件が、断熱や気密の性能がしっかりとしていることではないでしょうか。

 

性能面でいうと、耐震もあります。予防みたいな考え方かもしれませんが、耐震をしっかりしていると、大きな地震が来た時も自分の家が安心できる場所であり続けてくれるんです。

そういう目に見えない部分をしっかりとやっておくことで、家は長持ちするという考えが基本にあります。というか、自分が住むのであればそういう家がいいなと思うんです。

—ホームページの中にも「自分事で考える」という言葉がありましたね。奥山建設様のキーワードの1つでしょうか。

たしかに、「自分だったらこう思う」という感覚はとても大切にしていますね。それが個性や会社の強みになるんですよね。

あえて他社と違うところを作ろうとすると、どうしてもギクシャクしてしまいます。自分が好きで、自分が誇れる家を作ってお渡しするようにしています。

決め手は“人”。良い循環を生む取引先を選びたい。

—ここから少し話を変えて、山長と奥山建設様との出会いの話を聞かせていただけますか?

山長さんっていうのは、頑張っている工務店なら皆知ってるんですよ。雑誌にも載っているし、「山長材」というブランドがしっかりありますから。「山長材高いよね」って(笑)。

山長材をはじめて使わせてもらったのは、自宅を建てたときです。当時は金物工法を推していたのでうまく組み合わせられるか不安はあったのですが、自宅兼モデルハウスなので、失敗してもいいやという気持ちでチャレンジしました。

実はそのときに、色々とクレームをつけたんですよ、僕が。そしたら山長商店の人がわざわざ和歌山から、うちまで見に来てくれたんです。

—そんなことがあったんですね!

あの経験は良かったですよね。結局それをきっかけに、今も付き合いが続いています。

山長材は素材がいいというのももちろんあるんですが、僕が今もこうして山長材を使いつづけて、モックさんともお取引をさせていただいている理由は「人」です。

うちを担当してくれているプレカットのCADオペレーターさんがすごく一生懸命な人で、この人と一緒に仕事がしたいなというモチベーションが一番強いです。山長さんもモックさんもドライバーさんまで含めてスタッフがすごく良い人ばかりです。

—ありがとうございます!他のスタッフたちにも伝えておきます。

家というのは人生の買い物です。僕たちは、お客様からその大切なお金を預かる立場です。そのお金をどう使うかということをしっかりと考えないといけないと、胆に銘じています。

お客様から頂いたお金はもちろん僕たちの給料や会社の運転資金にもなるんですが、それ以外にも業者さんや、職人さんたちにも行き渡ることになります。そのときに、奥山建設が預かったお金をお支払する先は、きれいなお金の使い方をするところにしたい、という思いがあるんです。

受け取った人みんなが幸せになり、さらにそこから良い循環が生まれるような流れを作ることは意識しています。

なので、先に話に戻りますが、うちで営業したものがモックのCADオペレーターさんの給料になっていたらいいな、と思っています。

「こんな家を建てたい!」と言われるモデルハウスに変化し、成長する。

—本日はありがとうございました。最後に、これから先、奥山建設様が目指すことをぜひ教えてください。

本当は、全棟庭を作りたいんですが、やっぱりハードルが高いんです。庭の管理ができるほどのゆとりがある暮らしができる方はそう多くはないですし、それでいて植物が好きな方でないといけないので…。

でも、諦めずに庭とセットの家を提案し続けて、年に1棟くらいは庭と家をセットで作っている会社でありたいなと思います。

そのためにも、まずはこのモデルハウスの庭を完璧に仕上げます。僕自身が、庭が素敵なお家を見学して感銘を受けたように、このモデルハウスを訪れた方が「こういう場所で暮らしたいな」「こんな家を建てたい」と思ってもらえるような場所になると嬉しいですね。

(終)

インタビューを終えて

今回モデルハウスを見学させていただき、家に入る前に道路から見たお庭の感じと、中の雰囲気はまた違ってデッキや薪ストーブもあり、「こんな家で過ごせたら幸せだろうな」と素直に感じました。

家の中と外をつなぎ開放的な空間をつくることで、家をリラックスできる場所にする。インタビューさせていただいたソファーから見える大きな開口を通してのお庭と部屋の雰囲気に、社長がおっしゃっていた「つながる」を感じられました。実際に自分の目で見て、木の香りや質感を五感で感じられるという意味でも、今日は現地をお邪魔させていただけて嬉しかったです。

みんなから愛され、住み続けられる家をつくるために「自分事で考える」。

デザイン性、性能値を俯瞰しながらお施主さんの要望と奥山建設様の軸をどうすり合わせていくかという家づくりのこだわりもはとても勉強になりました。

また、このモデルハウスも今が完成ではなく、これからますます庭の植栽含め熟成されていくというお話を伺い、「家を育てていく」というところが奥山建設様の家づくりのこだわりの部分であるとも感じました。

(聴き手:高橋 みなみ)

奥山建設

昭和26年創業。埼玉県ふじみ野を中心に自然素材を活かし、木の家にこだわった注文住宅を手掛ける工務店

代表取締役:小林大介様

所在地:〒356-0031 

埼玉県ふじみ野市福岡中央1-1-14

ホームページ:http://fp-okuyama.com/